モーくん

めざせ成仏

好きですか管理職

好きですか管理職。

Twitterを眺めてると、割と管理職がクソだとか管理職なんかいらないしフラットな組織が最高だとか、もうちょっと穏当なやつでも、マネージャは大切な役割だけど自分ではやりたくない、くらいの感じで、積極的に管理職やってみたいって人はあんまり見ない。

確かに、いまエンジニアとして仕事をしててどんな時が楽しいかといえば、システム相手に仮説を立ててプログラム組んで検証して、というサイクルを回してるときが一番楽しい。

ただSIerでこのままキャリアを続けるとしたら、こういう種類の楽しさに対しては、あんまり多くのお賃金はペイされないだろうなという予感もある。

大前提として、じゃあSIer辞めて転職すればいいじゃんというのはあって、それはそれで真面目に考えてみるべき選択肢なんだけど、転職が成功するとも限らないのでこのままSIerに残るとしたらどうしたいか、管理職を目指すのか、というのも考えないといけない。

 

会社とエンジニアリングをつなげる

そんでエンジニアリング的な楽しさとお賃金との関係に話を戻すと、SIerってひとつのお客さん相手に一品もののシステムを作るのが仕事なので、Webサービスやパッケージのベンダーみたいに、一度システムを作ればそれが何万人ものお客さんにスケールしていくっていう仕組みがない。だからSIerでビジネススケールっていうとどうしてもプロジェクトの規模になるし、そうするとプロジェクトマネージャみたいに大規模プロジェクトの大規模さそのものを扱える人が評価されやすくなる。

エンジニア的な技術力を使って大規模プロジェクトの大規模さに貢献する、っていう視点だと、たとえばプロジェクトのリードアーキテクトみたいな立場があり得て、大規模プロジェクトにちゃんとしたアーキテクトは必須なので、少なくとも今いる会社であればそれはそれで評価されてる。

でもエンジニアリング的な楽しさ、プログラムを組んだり、なにか課題や問題があったときに仮説を立ててプログラムを組んで検証する、みたいなことは大規模プロジェクトに固有の機能ではないので、SIerの仕組みとしては、そういう部分はアウトソースされがちな力学があると思う。

だとすれば、そいういうエンジニアリング的な楽しさを追求したい人が、エンジニアリング的な楽しさを追求することで、意図しなくても結果的に大規模プロジェクトに貢献できて評価もされる、というような仕組みを考えたい。イケてるIT企業というのは、Twitterで語られているように、PCのメモリが4GBじゃないとかSlackやGitHubを使ってるとかいうことではなくて(というかそこら辺は最低限のことだけど)、エンジニアリング的な楽しさを追求することが自然に会社に対する貢献や評価とつながることだと思う。

そして、それは人事権のある管理職とプロジェクトマネージャが協力しないとできないことなので、自分でマネージャや管理職をやりたいという思いがある。

 

会社の仕組みをみんなが有効活用できるようにする

あとPCのメモリ4GBで思い出したけど、大企業の論理としては、特定のプロジェクトの開発PCのメモリを16GBにするくらいのことは、ちゃんと筋さえ通せば実は大して難しい話ではない。

でもこの、ちゃんと筋を通す、というのが具体的にどういうことなのかが現場の人に共有されてなくて、現場としてはどうしていいかわからずただメモリ4GBの開発PCを呪うしかなくなる、みたいなことはそれはそれでよくある。

ちゃんと筋を通すっていうのも、社内規定の段取りを正しく踏むとか、理由を聞かれたときに説明できるようにするとか、上司に話を通しておいてびっくりさせちゃいけない人がびっくりしないようにしておくとか、そのレベルの話で、全然難しいことではない。その難しくない話を、難しくないからどんどんやっていいんだよって部下の人に伝えるのは管理職の仕事なので、そういうのも大事だ。

 

会社の意思決定パスの窓口になる

それと、会社の意思決定の仕組みを理解するのも重要だ。

現場がいくら鋭い意見や提案をしていても、それが会社の意思決定のルートに乗らないと実際のものごとは変わらない。その意思決定のルートや勘所を理解して、現場の人の意見が会社の意思決定に反映され易くなる手助けをするのも、管理職の仕事になる。

自社の意思決定の話だけじゃなくて、プロジェクトをやっていると、お客さんの意思決定プロセスにプロジェクトが翻弄されるなんてこともすごくよくある。だからお客さんの意思決定の勘所を理解して、お客さん側の担当者を助けつつ、自分のプロジェクトへの影響も最小限にするみたいなスキルも、プロジェクトマネージャには必要だ。

 

そんなわけで

そんなわけで、もし管理職をキャリアパスに選ぶならこうしたいな、みたいなことを書いた。でも普通に転職するかも。人生は難しすぎるので何もわからない。

 

そういえばTwitterでフォローしてる人が今度グループリーダーになるという話を書いてて、目標は残業をなくすことで、その目標に対してどうアプローチしていくのか、というのを全て言語化していてすごかった。

yashio.hatenablog.com

この方みたいに、工学的なアプローチでマネジメントを目指す若い人が増えると面白いなと思った。